
多くの仮想通貨(暗号資産)はボラティリティが大きく、米ドルや日本円などの法定通貨と比べると、決済などでの実用性で劣るという難点を抱えている。価格の急上昇・急降下で「ギャンブルみたい」と感じる方も多いはず
そうした難点を解消するため、法定通貨やコモディティ(商品)などに価格が連動する仮想通貨「ステーブルコイン」が開発された
今回取り上げる「テザー(以下USDT)」は、世界で最初に生まれたステーブルコインであり、米ドルの価格に連動するように設計されている
この記事ではそんなUSDTの主な特徴や米ドルとの連動状況、保有のメリット、危険性などを紹介ししていく
- 1. USDT とは?“常に1ドル”を目指す仮想通貨
- 2. USDT の重要な特徴と役割
- 3. USDT の長所:こんな場面で役立つ
- 4. 注意すべきポイント・リスク
- 5. USDT と経済への影響
- 6. まとめ:USDTとは、仮想通貨の「安定の要」
1. USDT とは?“常に1ドル”を目指す仮想通貨
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正式名称・概要
USDT(ティッカー:USDT)は、Tether Limitedという会社が発行する「ステーブルコイン」です。『1 USDT=1ドル』を保つ設計です -
ステーブルコインとは?
ステーブルコインは、価値が安定しやすいように設計された仮想通貨。裏付け資産によって以下の種類に分類されますUSDT は米ドル担保に基づく典型的な法定通貨担保型ステーブルコインです
ステーブルコインについては下記記事でも紹介しています。
2. USDT の重要な特徴と役割
価格安定性(1 USDT = 1 USD を維持)
USDT は「約1ドル」を常に目指す設計で、仮想通貨の価格変動リスクを避けたい方に非常に適した通貨です
世界で最も使われるステーブルコイン
USDT はステーブルコイン市場で最大規模。市場シェアは60~70%以上、使用者は数億人に上ります
さまざまなブロックチェーンに対応
Ethereum や Tron、Bitcoin(Omni layer)など、複数のネットワーク上で発行されることにより、さまざまな場面で使いやすい通貨となっています
法定通貨の代わりに利用されるケースも
人口においては USDT を実質的な“お金”として利用する地域もあり、スイス・ルガーノ市では法定通貨のように受け入れられています
3. USDT の長所:こんな場面で役立つ
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価格が安定しているため、仮想通貨間の移動(BTC ⇄ ETH)にも安心感があり、海外取引所での送金や一時避難に使われます。
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流動性が非常に高いため、取引のたびに売り手・買い手を探す必要が少なく、スムーズに取引できます。
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世界中の取引所で“ドル代わり”として導入されており、使える場が非常に広いです。
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DEXなど DeFi(分散型金融)でも、ステーブルな資産として利用されやすいです
4. 注意すべきポイント・リスク
透明性に関する不安
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Tether は常に「USDT は完全なドル裏付けあり」と主張してきましたが、第三者による監査が十分とは言えず、資産の裏付けの実在性に疑いの声があります
規制への脆弱性
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EU の MiCA(暗号資産市場規制)など、新たな規制の対象となる可能性があり、市場環境が変化するリスクもあります
マネーロンダリングや不正用途との関係
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USDT は一部では資金洗浄や制裁回避の手段としても使われたとして、規制当局の懸念が拡大しています
非公式市場の取引追跡困難さ
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ブロックチェーン上の透明性とは裏腹に、USDT は多数の取引が非公式市場で行われ可視化が難しく、規制や監視が追いついていない状況もあります
5. USDT と経済への影響
興味深い研究結果ですが、2025年第1四半期時点で、Tether は米国債(Treasury Bills)を約 985 億ドル分保有しており、米国の1.6%ほどを占める非政府最大級の投資主体になっています。この影響により、米国の1か月物国債利回りを約24ベーシスポイント押し下げたと報告されています
6. まとめ:USDTとは、仮想通貨の「安定の要」
USDT(テザー)は、「仮想通貨だけど安定して使える」ことが最大の魅力です。仮想通貨市場の中で欠かせない存在として広く支持されており、以下の点でとても重要な役割を果たしています
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安定性のある資産として、急激な価格変動から資産を避難させる手段になる
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取引の潤滑油として、取引所間や通貨間の移動を迅速にし、市場の流動性を支える
ただし、透明性・法規制・不正利用リスクといった課題にも注意を向けながら、使用や投資判断を行うことが重要です